SEOに初めて取り組むにあたって、どこから取り組めばいいのか?
いろいろなインターネット上の情報を見たりすると、人によってもまったく意見が違ったりして、余計に混乱すると思うのである。
で、これはなんでそういう現象が起こるかというと、すべてのWebサイトに共通するSEO戦略というものはないからである。
それを強いてこうした方がいいというと、自分のWebサイトには当てはまらなかったり、ピントがずれたりするわけである。
といったわけで、まずどうやって取り組むべきか?についてここでお話してみたい。
SEOで成功する一番の近道とは?
最初の最初はちゃんとしたコンサルタントにレクチャーしてもらうことをお勧めしたい。
それは何故か?というと、一見似たようなWebサイトであってもとるべき戦略は千差万別であるからで、最初に戦略についてコンサルタントにアドバイスをもらったほうがはるかに効率が良いからだ。
Webサイトが個々に違う理由とは
ではどこが違うのか?
- 目指すべき目標
- 売っているモノによって1件あたりどれだけの利益が得られるか
- 売っているモノやサービスの違い
- 運用に携わる人員体制
- 運用に携わる人のスキル・興味・関心
- かけることができる予算
- 社内の協力体制
- Webサイトの規模
- Webサイトの全面リニューアルが可能か修正だけか
- Webサイトで使われている技術要素
これらが異なってくるととるべき戦略が異なってくるからだ。
ここで「戦略」という言葉を使ったのだが、これにはかなり深い意味がある。
戦略とはもともと戦争の用語で、大雑把にいうと「方針」である。
第二次世界大戦の日本を例にしてみよう。
アメリカと日本ではまったく国力が違うので、戦争が長引くと不利になるので早期に戦争を終らせるようにする。
日本国内及び統治下の地域では石油がとれないので、マレーシアといった油田地帯を開戦当初に獲得する必要がある。
こんな方針を立てたわけである。これが戦略というものだ。
個々の会戦をどうやって勝利に導くかという戦術より、戦略のほうがはるかに重要なのだ。戦略を大きく間違ったら戦争で勝つことは不可能になるのである。
戦争だけではなく、ビジネスでも戦略は同様に重要だ。
戦略を間違えるとまず失敗する。
SEOにおいては前述の10項目の違いに応じてとるべき戦略が変わってくる。
例えば、1.と2.について説明してみよう。
1.「目指すべき目標」は主にはこの3つが想定されると思う。
「会社やブランドの知名度をアップしたい」
「営業担当者がアプローチできる見込み客を増やしたい」
「自社商品を数多く販売したい」
このような目的が違ってくるとまったくやるべきことが変わってくる。一言でSEOといっても、まったく違うことをやらなければならないのである。
2.「売っているモノによって1件あたりどれだけの利益が得られるか」はSEOのプロと称している人でも気がついていないケースがあるのだが、SEO以前に大切なことである。
一見同じように見えるカニの通販サイトであったとしても、まったく差がつくことがある。
実際に食べてみて誰でも違いがわかるほど美味しいとか、同梱されている調味料が他にない美味しいものであったり、漁村の活性化に役立っている様子がわかる、といった個性のあるカニの通販サイトは、普通のカニの通販と差が大きくつく。
一回購入する際の平均金額は1万円とたいして変わらないかもしれない。
1回しか購入しない通販サイトと、平均すると5回リピートして買っている通販サイトでは、一人の顧客の価値に5倍の開きがでる。
こうなると、SEO以前の問題としてまったく勝負にならない。1回しか購入されない通販サイトを運営している場合、PRにかけられる費用は単純計算では5分の1しか使えない。そうなると、SEOを含めて、予算が厳しく選択肢が非常に少なくなる。これではSEOのテクニックなどをいくら駆使したとしても勝ち目がまったくない。
このような場合は、SEO以前にもっと一人の顧客から回数を多く買ってもらう仕掛けを考えることが必要になってくる。
といったわけで、とるべき戦略は千差万別であることがおわかりいただけたことと思う。
SEOコンサルタントに依頼をする
戦略が千差万別であるので、最初にとるべき戦略を正しく定めないと努力してもなかなか結果がでないということが起こりうる。
そこで最初だけは間違いなくSEOコンサルタントを使ったほうがいいのである。
しかし、SEOコンサルタントといっても経験や知識はピンきりだ。
まったく的外れの戦略をアドバイスするコンサルタントも数多く存在する。こういうコンサルタントに従ってしまうと間違いなく悲惨なことになる。戦略レベルで間違えると取り返しがつかないのだ。
SEOコンサルタントの選び方
というわけで、しっかりしたSEOコンサルタントのアドバイスを得る必要があるのだが、どうやって見分ければいいのだろうか?
これはあくまで私の私見なのだが、以下の3つをクリアするコンサルタントにお願いしたほうが当たり外れが少ないと考えている。
- 2010年以前からSEOをやっている
- SEO会社だけではなく事業会社の経験がある
- 話がわかりやすい
この3つだ。何故この3つを挙げているのかについて以下で説明したい。
1.2010年以前からSEOをやっている
これはなぜか?というと2010年以前はGoogleのAIの性能があまりよくなく、様々なSEOのテクニックを駆使すれば、検索順位を上げられる時代だったのである。
その頃のテクニックは今はほとんど通用しないのだが、その時代を経験していると、SEOのテクニックを網羅して知っている可能性が高い。
また、この頃はGoogle Analyticsというアクセス解析のシステムで、どのようなキーワード検索してWebサイトに訪問したのか?を見ることができた。
現在のGoogle Analyticsでは検索キーワードはほとんどが(not provided)となって表示されなくなっている。
そのため、昔のどんなキーワードで流入しているのか?を見ることができた経験は今となっては貴重なのである。
もう一つ重要なこととしては、2010年頃まで通用したテクニックが通用しなくなったことで、多くのSEO会社は廃業したり事業転換したりした。
今でも生き残っているということは、単なるテクニックにプラスして、SEOの本質をつかんで実践しているということを示している。
この3つの事柄から2010年以前からSEOをやっているコンサルタントをお勧めしたい。
2.SEO会社だけではなく事業会社の経験がある
SEOを成功させるための取り組みはSEOのテクニックだけでは完結しないケースがほとんどである。
ありとあらゆる手法を駆使する必要が生じる。
リスティング広告といった他のPR手法、場合によってはチラシとか、テレビCMとか、ダイレクトメールといった様々な販促手法を駆使することもある。
また、SEOを成功させるためにはそもそもインターネットで売りやすい商品の開発、魅力の訴求の仕方を考えなければならないこともある。
そのような経験はSEO会社では得ることができない。
実際にインターネットを使って集客して利益をあげている会社での実務を経験して初めて得ることができるのである。
3.話がわかりやすい
わかりやすく説明すること、これはSEOに限らずコンサルタントの大切な資質である。
レベルの高いコンサルタントは相手と少し会話をするだけで、相手の理解度を的確に推測し、相手のレベルに合わせて話をすることができる。
もし相手が初心者であるならば、相手がわかるような説明をする必要がある。
初心者にもわかるように説明するということは、実は非常に深い理解がないとできないことである。
池上彰氏のテレビ番組や書籍がわかりやすいということで人気を博しているが、それは彼が説明している分野について深い知識を持っているからなのである。
わかりやすい説明をするコンサルタントはそれだけでかなりレベルが高い可能性があるのだ。
コンサルタントに頼めないなら
以上に書いたように最初はコンサルタントに頼むのが絶対におすすめなのだ。
しかし、どうしても予算が捻出できないというのであれば、自分で試行錯誤してみるしかない。しかし、それでも試行錯誤を減らす必要はある。
試行錯誤があまりにも多いと、まったく前に進まなくなってしまう。試行錯誤を減らすためにふたつできることがある。
- 最低限は勉強をする
- 相談相手を見つける
これだ。では具体的に何をするかについて以下で説明する。
最低限は勉強をする
何を勉強するかだが、こんな順番でやるのがお勧めである。
Webマーケティングに関する様々な手法についての概要を勉強する
最低限、HTMLとは?リスティング広告とは?といった基本的な内容が理解できなければ、まったく勉強の手がかりをつかめない。
そのため最低限浅くでいいので広く知っておく必要がある。
「現場のプロがやさしく書いた-Webサイト運営・プロデュースの教科書」
これは古い本なのだがお勧めしたい。というか他に見つからないのである。
Webマーケティングに関する関西人脈の第一人者が集結し、それぞれの分野について重要なことを書いた本である。
1冊の本にまとめた関係でひとつひとつの内容はどうしても浅くなってしまうのだが、まずは基本的な内容を理解するためには非常に良い本である。
Google社発行の「検索エンジン最適化スターターガイド」を熟読する
多少はHTMLのことがわかれば理解できる簡単な内容である。
こちらから無料でダウンロードできる。たった30ページほどの小冊子だが、重要な内容が網羅されている素晴らしいガイドブックである。
まずはこれは基本中の基本で、市販の書籍を読む前にまずはこれを読むべきである。まずこれを理解しよう。話はすべてそれからだ。という感じである。
世の中のSEOコンサルタントの中にはこれすら読んでない人が多数存在し、これを理解するだけで、インチキなSEOコンサルタントより上になれる。
「いちばんやさしい新しいSEOの教本-第2版」を熟読する
この本は実に素晴らしい。
SEOの重要な知識が完全に詰まっているといって過言ではない。
この本を一冊完全に読みこなすことができれば、大規模なWebサイトのSEOもなんとかできるようになるだろう。
でも一点問題なのが「いちばんやさしい」と銘打っておきながら、かなり難しいことである。しかし、頑張って読めば確実にSEOがわかるようになる。
ただし、わかるようになるということとできるようになるというのは別の話なので、そこは要注意である。英和辞典や文法書があってもそれだけでは英語は読めないのと一緒である。
本に書かれている内容を頭の中で体系化して、必要に応じて現実に当てはめることはなかなか困難である。とはいえ、まず知識がないと始まらないから勉強するしかないのである。
私はこの本は買って持っているのだが、今はKindleunlimitedを契約している人であれば無料で読めるようになっているようだ。ちょっと悔しい。
相談相手を見つける
相談相手がいると心強いと思う。
本当はちゃんとしたコンサルタントがいいのだが、プロに質問できる方法がふたつある。
Google 検索セントラル のヘルプ コミュニティ
Googleが公式に運営しているSEOに関する掲示板。
日本のSEOコンサルタントでは最も有名な海外SEO情報ブログの鈴木謙一氏や、様々なセミナーで講師として登壇している高野翔二郎氏、ローカルSEOの著書のある伊藤亜津佐氏などもレギュラー回答者として参加している。
私も昔は回答者として参加していたのだが、飽きてしまってやらなくなってしまった次第である。
ただし、具体的な内容について質問するためにはURLを開示する必要があり、そのため不特定多数の人に質問内容について読まれてしまうことは避けられない。
また、回答がつかないこともたまにあったり、誰でも回答できるので不適切な回答もときどき、多々ある。
賢威サポートページ
SEOに強いということが売りである賢威というテンプレート(Webサイトの雛形)がある。
この賢威を開発しているのは「現場のプロがやさしく書いた-Webサイト運営・プロデュースの教科書」のSEOの章を執筆している松尾茂起氏である。
賢威を購入した人だけが参加できる掲示板なのだが、この松尾氏やSEOの技術論での第一人者である三嶋氏がこの賢威サポートページで回答をしてくれる。
一度購入すると月会費など一切かからず、いくらでも質問し放題である(1日3回までという制限はある)。
賢威自体は27,800円というそこそこの金額であるが、質問し放題と考えるとトンデモなく安い。コンサルティング料金と考えればタダといっていいぐらいの金額である。
これも、やはり掲示板なので他の人にも見られてしまうのだが、購入者だけしか見ることができないので、Google検索セントラルのヘルプコミュニティよりはるかに人の目に触れることは少ない。
賢威を使わないにしても、質問をするためだけに賢威を買ってもいいと思う。
私も今は使っていないが賢威は購入したことがある。ちなみに今、賢威を使っていない理由としては、賢威がAMPという技術に対応していないためである。AMPに対応したらまた賢威を使いたいと思っている。
賢威はこちらから購入可能
最後に
本当は最初だけでもSEOコンサルタントに相談することをお勧めしたいのだが、自分でやるための取っ掛かりについても紹介した。
もし、これがこれからSEOを始める方にとって役に立ったら幸いである。
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