既存のコンテンツを更新することと、新規の記事を作成することのどちらが大切か?
という質問である。
これは実は非常に見落とされがちなことなのだが、私の答えとしてはこうである。
「両方同じぐらい重要」
ということだ。
既存のコンテンツを修正しなくてはならない理由
コンテンツというものには「鮮度」がある。
新しい記事のほうが鮮度が高く、古くなると鮮度が落ち検索エンジンからの評価も下がってくる。
この鮮度の低下による評価の下がり方はコンテンツの内容によって異なる。
例えば、2021年5月23日の天気予報というコンテンツであれば、このコンテンツは24日にはまったく無価値なものになる。
それほどではなくても、iPhoneの新機種についての紹介記事といったコンテンツは、この新機種が発売されて半年ぐらい経過したらほぼ無価値になる。
それに対して聖徳太子についてといったコンテンツは、鮮度の下がり方は非常に緩やかである。
聖徳太子について新たに新事実が発見される事はまずないからである。
だいたいどのようなコンテンツであっても普通は、iPhoneの新機種から聖徳太子のコンテンツの間に鮮度の劣化の具合は位置する。
そんなわけで、最初はSEOで集客できていたコンテンツであっても、程度の差こそあれ徐々に集客力を失うのである。
鮮度の低下を防ぐ方法は、現在の状況に合うように内容を修正したり、加筆したりすることである。
それによって、コンテンツは鮮度を回復するのだ。
コンテンツの鮮度が原因で検索順位が下がっていたような場合であれば、検索順位が回復したり、あるいはもともとの順位より高くなることもある。
コンテンツを修正しないといずれ伸び悩む時が来る
コンテンツを投入していくと、作り方が間違っていなければ最初はコンテンツ数に応じて徐々にアクセス数が伸びていく。
ところがそのうち伸びが悪くなっていき、ついには横ばいになるタイミングが来るのである。
それは何故か?というと、コンテンツの投入によるアクセスの増加と、既存のコンテンツの評価の減少が釣り合うポイントがあるからだ。
有名ブロガーのブログなどでもSEOによる集客は、高い頻度で行われていても大抵は頭打ちになっていて、伸びていないのが普通である。
わかりやすく、極端に単純化したモデルで考えてみよう。
コンテンツの賞味期限は3年だとしよう。3年経つとその日にいきなり価値が100であった価値が0になるとする。
毎日ブログに新規の記事を書いていくとすると、3年目までは順調に伸びていくものの、3年目からは完全にSEOでの集客数は横ばいになるわけである。
このように、新規の記事を投入していくだけだといずれ伸び悩む時期が来るのである。
過去のコンテンツの修正はどのように行うべきか
といっても、過去のコンテンツの全てを修正するというのは現実的ではない。
コンテンツが増えれば増えるほど修正のかかる手間が増え、新規のコンテンツにまったく手が回らなくなるだけではなく、そもそも修正そのものも間に合わなくなる。
そこで優先順位をつける必要があるのだが、SEOによってアクセスがとれている上位の記事を優先するのである。
これは「パレードの法則」別名「2:8の法則」のよい適用例である。
2割の原因が8割の結果を左右するというものだ。
アクセス解析を見ているとよく分かるが、上位2割程度のページが全体のアクセスの8割を稼いでいることは実感としてうなずける人も多いと思う。
というわけでアクセス上位の2割を最新に更新することができるなら、過去の記事のアクセスの8割は鮮度の低下を免れる事ができるわけである。
それが無理ならせめて1割の記事だけでも修正を行うべきだ。1割だけでも5割は以上はほぼカバーできる。
といったわけで、上位1割の記事だけでも最新に保つことができれば、アクセスは順調に伸び続けていくはずである。
さてどのタイミングで修正を行うべきかなのだが、これはコンテンツの性質による。
しかし、お勧めとしては年に1回見直しをするのがいいと思う。
過去2年前から、1年間前までの自然検索流入の多いページ順にGoogle Analyticsといったアクセス解析で並べるのである。
毎年8月1日にこれを実施するとするならば、例えば今年2021年の8月1日に実施する場合、2019年8月1日~2020年7月31日までの流入数を見ればいいのである。
それで、もし修正するところがなかった場合であるが、それでも多少なりとも新しいあるいは、これまでになかった情報を盛り込んだりして修正することをお勧めしたい。
Googleは以外に細かいところまで変更の有無を把握していることもあり、修正を行うことで最新の情報になるようにコンテンツが維持管理がなされていると判断する可能性がある(確実なものではないが)。
とはいえ、それも小手先だけでちょっとだけ変更するというのでは駄目で、必要とあれば古くなっている箇所を現状に合うように大幅に修正するページがあることが前提である。
古くなった内容が大幅に修正されているページがあれば、他のページの軽微な変更も単にごまかしではなく、品質の維持管理として捉えてもらえる可能性が高まるわけだ。
最後に
理想はコンテンツの2割、それが無理なら1割でもいいと書いたのだが、それでも過去のコンテンツの蓄積が多くなってくると修正の手間は大きなものになる。
私が冒頭に「既存のコンテンツを更新することと、新規の記事を作成することのどちらが大切か?」といったときに両方同じぐらい大切といったのはそういうわけである。
新規のコンテンツの投入数を減らしてでも、既存のコンテンツの修正に労力を振り向ける必要があるのだ。
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