よく、検索上位に表示させるには何文字必要か?ということを聞かれる。
いろいろなSEOに関する情報を見ていると、5,000文字必要とか、3,000文字必要とか、はたまた10,000文字必要とか、まあほんといろいろなことが書いてある。
この議論は本当は本質的にそもそもおかしいのである。
Googleは検索したユーザーにとって、有益な情報が記載されているページを上位表示させようとする。
決して文字数ではないのである。有益か否かなのだ。
手術にたとえてみるのがわかりやすいだろう。
「よい手術の条件は2時間以上かけること」
みたいなものだ。これはどう考えてもおかしいことは自明なのだが、ではどこがおかしいのか?
- 手間のかかる手術であれば2時間では全く足りない。しかし、虫垂炎みたいな手術に2時間かける意味もない。
- 手術内容の良しあしは時間ではなく、やるべき内容を正しくやれたかどうか。
であろう。ページの文字数もこれと同じことである。
- 詳しさを要求される内容の情報であれば3,000文字では全く足りない。しかし会社概要みたいな内容について3,000文字以上書く必要もない。
- 有益かは文字数ではなく、知りたいことをわかりやすく正しく書けたかどうか。
それでも文字数を考えなければならない理由
ここまではいわゆる原則論なのだが、それでもやはり文字数を考えなければならない理由がある。
高品質な情報は読者の想定を上回る必要がある
「富士山の高さ」と検索する人は、富士山の高さを知りたいわけである。
極論「3776m」と書いてあるだけで検索意図を満たすことができ、それだけ端的に考えればわかりやすく正しい。
しかし、そんなページは検索結果において上位表示していない。
検索結果上位にあるページにはもっと別の要素がある。
知りたいことは3776mの高さということなので、これを冒頭に持ってくる。
そのうえで、富士山の高さを覚えなければならない理由のある人について、語呂合わせでの覚え方。小数点以下のメートル数。また世界の中での高さの順位。日本での2番目以降の高さの山との比較。何合目は何メートルといった、途中の高さ・・・
といった様々な情報が記載されていたりするのである。
確かにこれらの情報は検索する人にとっては直接必要とされない情報ではあるのだが、富士山の高さがわかったら次に検索してみたくなるような情報である。
このような情報を検索させることなく、先回りして同じページ内に盛り込んでおけば、ユーザーの有益性を高めることにつながる。
3776mであるという情報は、ネット上の様々なところにあり、非常にありふれているのでそれプラスアルファが求められているということの例である。
そこで文字数の話に帰ってくる
当該キーワードで上位に表示されているページの平均文字数が2,000文字だとするならば、もし自サイトがこれを大きく下回っていた場合は、単に文字を足せという話ではない。
「競合のページに比べて有益性が低いのではないか?」
を疑う必要があるかもしれないという一つの判断指標となるわけである。
有益性を高めるためには情報量だけではなく、様々な方法がある。しかし、情報量という視点で見た場合には競合に負けている可能性が高いという証拠になる。
そこで文字数の話になる。文字数が少ない場合は、競合のページが提供している情報よりも薄い可能性を疑うべしということなのだ。
でも読者が求めていない情報はいらない
競合より詳しくすれば勝てるのか?
という話になってくるのだが、原理上勝てる可能性は高まる。
しかし、ユーザーにとっての有益性が逆に低くなることもあるのだ。
ここまでは必要としていない情報について書かれていると、逆に冗長になり有益性は大きく低下する。
最終的に文字数の考え方はどうあるべきか
コンテンツライティングを熟知している人だけで、コンテンツを作っているのであれば文字数を考える必要はない。
ひたすらユーザーの求めている情報を作りこみさえすればいいだけだ。
しかし、コンテンツを作っている人が専門家ではない場合がある。
コンテンツを作る人は、営業担当だったり、社長だったり、よくそのトピックについて知らない外部ライターだったりする。
この場合にはコンテンツの品質基準として、文字数を定めることは有用である。
当該キーワードで上位表示しているページの文字数を調査して、それ以上になるように書いてくれとお願いするのは品質管理のために必要になってくる。
ともすればほかの業務が忙しく、つい自社のコンテンツだと手抜きになったりするので、手を抜かないでこの程度は書いてねという基準である。本来は手を抜いたかどうかは文字数ではわからないのだが、可視化が最も簡単な指標が文字数だ。
文字数を規定することはわかりやすい指標として有用なのである。
とはいえ、文字数を「何文字以上書け」と定めると、内容の薄い文章を書く担当者が出てくる。
そうならないように、コンテンツの内容を後で精査して、薄い部分を指摘し、削除する作業が必要になってくる。
これを繰り返していくことで、文章をただ長くするのではなく、調査したり、独自情報を豊富に盛り込んだりして、豊富な情報を作るように徐々になってくる。
そのための文字数なのである。
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