SEOは◯◯してはだめ・・・。
SEOのためには◯◯するべき・・・。
というようなことはいろいろな人が様々に語っている。
これらは全く矛盾することもあるし、どれが正しいのかよくわからないと思っている方も多いことだろう。
そこでこの問題について今回考察してみたいのである。
人によって意見が違う理由
理由1:SEOについてわかっていないコンサルタントが多いから
これが一番多いと思う。
ではなぜ、わかったつもりになるのだろうか?
「SEOにおいて何かやったことと、検索順位に因果関係がないことがほとんどだから」
である。
例えば、TOPページの画像を圧縮して読み込みを速くした。その3日後に検索順位が上がったとする。そうすると「おお、やっぱりページの読み込み速度はとっても重要なんだ」と思ったりする。
この対策が検索順位に影響した可能性はゼロではないのだが、因果関係があったとは全く言い切れないし、おそらくは無関係。
この対策をしていなかったとしても、検索順位は上がっていたかもしれない。
また、サイト内の他の部分で行ったことが検索順位に影響したのかもしれない。
何もしなくても検索順位は日々刻々変わっているもので、それはやったこととの因果関係がないことがほとんどなのである。
にも関わらず、SEOを意識して何かをすると「これは効果があった」「これは効果がなかった」「これは逆効果だった」と因果関係があったと思いこんでしまうのである。
中途半端にSEOをかじるとこの手の思い込みが増えてくる。
SEOは他の自然科学の学問と異なり、因果関係を証明することが非常に難しい取り組みなのだ。
SEOにとって良い効果をもたらす可能性のある施策は無数にあるが、できるSEOコンサルタントはそれをやったからと言って効果があるとは断言しないはずである。
理由2:SEOしているWebサイトが違うから
数百万ページもあるWebサイトと100ページ程度しかないサイトではやるべきこと、やってはいけないことが全く異なる。
そしてWebサイトの性質によっても異なる。
企業のWebサイトとアフィリエイトサイトでは取るべき戦略は真逆になってもおかしくない。またECサイトとブログでも全く違う。
SEOはWebサイトの規模や性質によってやるべきことが全く異なるのである。
また、一見類似すると思えるようなWebサイトであっても、そのサイトを運営する人の個性、予算の大小、会社の運営方針、収益モデルの違いなどによってもやるべきことは変わってくる。
なので、あるWebサイトではうまくいったことでも、似たようなサイトではうまくいかないことも多々ある。なので一律に成功したという施策を適用できるとは限らないし、むしろ他のWebサイトでの成功事例をそのまま当てはめようとすることは、有害になる可能性すらある。
理由3:知識をアップデートしていない
まともなSEOコンサルタントでも、2010年と2022年では全然違うことを言っているケースもある。
それはGoogleが変化しているからだ。
わかりやすい例でいうと2007年ぐらいまではmeta keywordsにキーワードを入れることに意味があった。そして、2009年にはすでに意味がなくなっていたのであるが、meta keywordsに検索キーワードを入れるのは重要という情報は2015年ぐらいまではよく見られていた。こんな情報を発信したり話したりしている人は知識をアップデートしていないのである。
近年ではsitemap.xmlなんかがいい例かと思う。
2015年ぐらいまではGoogleのクローラーの性能が低かったためにsitemap.xmlはあったほうがよかった。しかし、現在ではあってもなくてもどちらでもよい。むしろsitemap.xmlを廃止し、Googleのクローラーに任せたほうがいい結果を生むケースが多い。URLが正規化されていないsitemap.xmlはむしろ有害であるというのが現代のSEOの常識であるが、このようなことも知らない知識のアップデートがなされていないSEOのコンサルタントもまだまだたくさんいる。
あと、これは古い情報についても注意が必要ということを示している。
いくら良質な情報源であっても、古い情報であれば正しくないことを疑う必要があるのだ。
理由4:あえてミスリードしているケースもある
SEOサービスを提供する業者は自分の売りたいサービスがある。
そういう業者は自社のサービス内容に反する情報に対して黙殺したり、嘘だと決めつけるわけである。
現在はかなり少なくなってきたが2013年ぐらいまでは日本中のSEO業者の8割はこんな感じだったといっても過言ではない。
また、現在正しいSEO施策を行っていても、テレアポや問い合わせフォームから営業してくるSEO業者は、現在の施策を否定してくることがある。それは当然で、いまのままでいいと言ったら新規の受注につながらないからである。
理由5:Google社の発言の取り扱い
Google社は盛んに検索に関する情報発信を行っている。
日本国内であれば金谷さんとか本当に頑張っているし、ジョン・ミュラー氏はtwitterや動画でも親切に質問に答えている。
基本的にGoogle社は嘘はつかないのだが、Googleの発言が勝手に独り歩きすると間違いの発生源になる。※基本的にGoogleは嘘はつかないが言えないところは隠すのが普通。
ジョン・ミュラー氏などは英語で発信しているので、それを日本語で紹介する記事だと細かいニュアンスが削ぎ落とされてしまっていたりする。
Google社の実際の発言をよく聞いてみることが大切で、たいていは注意深く発言していることが多いのだが、単純化されて流布すると間違いの元になってしまうのである。その単純化された情報を鵜呑みにして「こうだ」と言い切ってしまうSEOコンサルタントはかなりいる。
さもこれが常識であるかのように情報発信してしまうのである。
では何を信用するべきか
そもそもデタラメを発言しているSEOコンサルタント(この場合は自称SEOコンサルタントというべきか)が非常に多い上に、時代遅れの情報があったり、あえて嘘を言っている人もいるわけだ。
では何を信用すればいいのか?というとこれは非常に難しい。
10年以上営業しているSEO業者であれば、中に凄腕のコンサルタントも多分いるだろうが、そんな人が担当につくことはまれだし、フリーのSEOコンサルタントは玉石混交だ。
紙の本を書いているSEOコンサルタントであっても信用はできない。
SEOの書籍を多数出版している某出版社の本などは、すべて燃えるゴミといってもいいぐらいである。
といったわけで見分けるのは非常に難しいのである。2010年ぐらいから情報を発信しつづけているSEOコンサルタントは正しいが、それって住太陽先生、鈴木謙一先生、辻正浩先生、バカ毛さんこと篠原誠先生ぐらいしかいないかも・・・。
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