SEOが失敗する理由は7つある

SEO

SEOは方法を間違えず、充分な労力をかければ成功する取り組みである。

大切なことなので箇条書きにしてみる。

  • 正しい方法で実施する
  • 充分な労力をかける

言い換えればこの2つができなければ失敗するということなのである。
もうかれこれ15年になりなんという期間SEOをやってきて、数多くの失敗もしてきた。その失敗から学んだことを書くのである。
これを読んで、よく考えれば必ずSEOは成功するという非常に重要なポイントである。

SEOが失敗する理由1:正しく学ばない

小規模なWebサイトであれば、SEOについてそれほど多くの知識は必要ない。
小規模なサイトとは数千ページ程度のサイトのことだが、世の中のほとんどのWebサイトはこれに分類されるだろう。

その程度の規模のWebサイトにおいては必要な知識はごく僅かだ。

Googleが公式に提供している「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」というページがある。たった3万文字にもならないページだが、重要なポイントが凝縮されてまとめられている。

「えーーー!3万文字も読むの!」

と思う方もいるだろうが、この程度の労力を惜しむぐらいであればSEOなんかやらないほうが無難である。
まずはこれを読めば充分なのだがなのだが、こういった重要な情報を全く読むことなく、twitterや誰か正体不明な人のブログの情報だけ見てSEOをやろうとすると失敗する。

特にシステムエンジニアの方などであればご存知だろう。
ある技術を習得しようと思ったら、多少面倒でもその技術を提供している会社が提供している公式ドキュメントを読むのが基本である。一見遠回りに見えてその方が習得への近道だ。

検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドをとりあえず読んでみて、それから「これ難しくて何いっているかわからない」と思ったらその後にSEOの入門書を読むのがよい。

※でもSEOの入門書と称している本でも、嘘八百書いてある本が結構あるからあなどれない。
某出版社はSEOの書籍をたくさん出版しているが、ひどいクオリティの本ばかりだ。
有名なSEOコンサルタントのW氏は「某出版社のSEOの本は全て燃えるゴミにしか見えない」と酷評していたが本当である。

SEOが失敗する理由2:短期での結果を求める

「3ヶ月でSEOを成功させたい」

などという相談を受けることがあるが、このような短期で目に見える成果を出すのはまず不可能である。
それほど難易度の高くないキーワードで順位をあげたいといった目標であればできることもあるが、それでも3ヶ月でというのは非常に難しい。

SEOの取り組みは決まったコースがない長距離走みたいなものである。
どこまで頑張ればいいのか?はやってみないとわからない。

私がクライアントさんに最初にお伝えする言葉が2つある。

100回叩くと壊れる壁があったとする。でもみんな何回叩けば壊れるかわからないから、90回まで来ていても途中であきらめてしまう。

元テニスプレイヤー 松岡修造氏

何かに挑戦したら 確実に報われるのであれば、 誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

将棋プロ棋士 羽生善治九段

まさにSEOに必要なのはこれ。しつこく頑張ることである。あきらめずにやっていれば、方法が大きく間違っていない限り成果は出る。

「3ヶ月で成果を出してほしい」

といわれるような案件については、基本的にはお断りをすることにしている。
このような短期の案件については、成果を出すことを目標にするのではなく、一緒にSEOをやりながら正しい方向性を指し示すのがベターだと考えている。

SEOが失敗する理由3:コストをかけない

コストとはSEO業者に払うコストとは限らず、社内の人員の稼働を含む。
人手をかければ当然人件費がかかる。また、営業担当者などがSEOを担当すれば売上の減少も発生する。
このコストを払う覚悟があるかどうか?である。

これがなければSEOをやっても間違いなく失敗する。

このコストがどれくらいかかるか?なのだが競合のWebサイトがどれくらいコストをかけているかによる。

健康食品とか金融といったビジネスであれば、月間数千万円単位でWebマーケティングに予算を使うのが普通である。このようなビジネスで、

「頑張って月額10万円の予算を確保しました!」

といった場合。
できなくはないとは思うのだが、この程度の予算ではSEOを実施してもうまくいく可能性はほぼないだろう。日本の上空に飛来するB29を竹槍で落とそうとするようなものだ。

とはいえ、ビジネスの種類による。

BtoBのビジネスだとWebマーケティングにコストをかけている会社は非常に少ないので、この程度の予算でも充分戦える可能性がある。

コストをかける覚悟がないのであれば、SEOは全くおすすめできない。お金の無駄遣いになってしまうのである。コストがかけられないなら、SEO以外の戦場で戦うべきである。

SEOが失敗する理由4:社内の協力体制がない

これはSEO担当者を社内においてSEOを行う場合の話。
SEO担当者というものは、基本的に一人では無力である。

サイトの修正をする場合にはデザイナーやコーダーの協力が必要。
情報を充実させるためには、製品やサービスについて熟知している担当者の協力と、文章を書ける担当者や外部ライターの存在が不可欠だ。

上記についてSEO担当者が全てできれば、一人でできるといえばできるのだが、SEOにプラスしてこのようなオールマイティなスキルを持っている人はまずいない、というか全然いない。

また、長期にわたって成果らしい成果が上がらなくても、それに対して文句を言わないで協力体制を維持してくれることも必須。

社内の人が支えてあげる体制がないとSEOは失敗するのである。

また、社外にSEOを依頼する場合であっても同様だ。
よくあるパターンが、

「社長がなんだかSEOやるって言ってるから、仕方なく協力している」

というケース。SEO業者との窓口担当者や、その先にいる様々な部門の担当者達がSEOの取り組みに協力してくれる気持ちがない場合はたいてい失敗する。
これに対して、SEO業者がそれなりにちゃんとしていて、担当者が協力的で予算が潤沢にあればSEOはうまくいく。

私の場合はSEOの引き合いがあった場合、全てを請けるわけではない。社長といったプロジェクトのオーナーだけでなく、現場の担当者の協力する気持ちがないと失敗するので請けないことにしている。

SEOが失敗する理由5:小手先のテクニックでやろうとする

現在のSEOにおいて小手先のテクニックが通用するシチュエーションは全然ない。
大昔であればtitleタグの中に検索キーワードを複数回入れたり、本文中に検索キーワードを中央寄せで入れたりするだけで簡単に検索順位が上がったりした。

この手のいうなればGoogleのバグみたいなものは2010年頃にはほぼなくなった。今となってはこんなSEOをやろうとする人はあまりいないが、まだいたりするので要注意(中古ドメインとかそういったたぐい)。

SEOが失敗する理由6:コンテンツを量産すればいいと思っている

コンテンツSEOという言葉が流行り始めて10年ぐらいが経過した。
現在はSEO目的のコンテンツがあふれまくっている。猫も杓子もコンテンツを作る。

特に日本語はコンテンツの作成コストが低い言語であるらしい。
日本人であれば、誰でもコンテンツを作れる。

その結果、内職でコンテンツを作るビジネスが大流行。1文字1円で、誰の役にも立たないコンテンツが日々刻々と量産されている。インターネット空間のごみである。

このようなごみをいくら量産してもGoogleから評価されることはない。
むしろ、

「こんなごみばっかりよくまあ作るよねこの会社(ため息 」

とGoogleから思われるのが関の山である。むしろ、Webサイト全体の評価が下がるぐらいでまったくいいことがない。

「ヘルプフル コンテンツ アップデート」というGoogleの評価基準の変更が2022年の8月に実施された(2022年9月時点ではまだ日本語には導入されてはいない)。
役に立たないコンテンツが大量に存在するWebサイトについて、全体的に検索順位を下げるという変更がなされた。
以前からもそのような傾向はあったが、これがはっきりとGoogleの公式見解として明らかにされたのである。

ごみのようなコンテンツは「無価値」なのではなく「有害」なのである。

現在のSEOにおいて小手先のテクニックが通用するシチュエーションは全然ない。

SEOが失敗する理由7:人に向かい合っていない

Googleは機械である。
しかし、Googleという機械に向かってSEOすると考えていると失敗する。

Googleは「そのページを読む人がどれだけ評価するか?」をシミュレートするシステムなのである。
現時点においても人間の評価とは必ずしも一致しないが、それは読む人によって評価が変わるのと同じことである。

読む人にとって何が大切なのか?を考えることが第一なのだ。それを考えることが大切。

Google Analyticsといったアクセス解析を見ると◯◯人が昨日はWebサイトにやってきた。といったことがわかる。
これを単に数字ではなく、一人ひとり何か理由があって来訪したと思うべきなのである。

私のクライアントの社長さんはまだSEOのアクセスがほとんどなかった頃にアクセス解析を見て、

「お、昨日10人も見に来てくれたんだ!」

と思い「ありがたいことだ」と感謝しつつコンテンツの作成に励んだという。
その10人の人は一体何が知りたかったのだろう?足りなかったことはないだろうか?と自問自答するなかで「お客さんにはこの説明をする」という情報を日々作成していき、競合を圧倒するサイトを作り上げたわけである。

大切なことはこの姿勢で、向き合っているものは検索エンジンではなく、あくまでもその先にいるお客様である。

検索エンジンとは電話のようなものだ。

電話があることで相手とつながって話をすることができる。しかし、話しをしている相手は電話そのものではない。話しかけているのは通話相手である。
検索エンジンは電話と同じように、情報を発信する人と、情報を欲しいと思う人をつなげる仕組みにすぎない。

検索エンジンに対して話しかけるのではなく、その先にいる相手に話しかけなければならないのだ。

とはいえ、正しく相手につながらないことが多々あるので、そこは理由その1にある正しく学ぶことが必須になる。

最後に

7つのSEOでの失敗するパターンについて説明した。
この逆をやればSEOは絶対成功すると断言してもいい。

ではSEO業者や、SEOコンサルタントは何のために存在するのか?

SEOのプロ(と称するニセモノが多いので注意)が一緒に伴走すれば近道のコースを案内してくれるのである。

SEOの基本は全てのWebサイトにおいて共通ではあるのだが、運営する個々のWebサイトごとに最適な戦略が異なってくる。
それは業種であったり、扱っている商品数、投下できる資金力、一人当たりの顧客から得られる利益、担当者の持っているスキルや興味といった様々な要因がある。

これらを考慮してできる限り最短コースを案内するのは、経験がないとできないことなのである。

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